子育て教室 Parenting

子どもの歯ぎしりが気になる

こどもが歯ぎしりする原因

お子様の歯ぎしりはほとんどが一時的なものですので、過度に心配する必要はありません。原因としては、お子様の気持ちが満たされないストレスや噛み合わせの調整として無意識に行っていることなどが挙げられます。年齢とともになくなっていくことが多く、定期検診で経過を見る程度で問題ないことがほとんどです。

歯ぎしりを
することによるリスク

軽度であれば問題ありませんが、歯ぎしりの程度がひどい場合はリスクを伴う場合があります。歯並びに問題が生じたり、歯がすり減って溝がなくなる、顎の痛みを訴えるなどの症状があれば、歯科医院へご相談ください。

対処法

歯ぎしりが激しい場合は噛み合わせを調整したり、マウスピースを利用することもあります。お子様のストレスが原因となっている場合は、ご家庭で触れ合う時間を増やしたり、話し合いによってストレスの原因を突き止めることも必要です。

むし歯のリスクと卒乳

離乳(離乳食)について

生後5〜6ヶ月頃になると、離乳食が始まります。母乳やミルクだけの時にむし歯のリスクはありませんが、離乳食が始まるとむし歯のリスクが高くなってしまいます。そこで大切なのが、食生活の管理や口腔ケアです。歯が生えてきたら食後には歯磨きの練習をはじめ、糖分の摂取にも気をつけましょう。フッ素を取り入れることも大切です。定期検診では、食事のポイントについてもお話ししていますので、不安な方はご相談ください。

卒乳のタイミングについて

卒乳は1歳〜1歳半くらいが適切と言われており、むし歯の観点から言うと、卒乳が遅ければ遅いほどむし歯のリスクが高くなると言われています。お子様が夜泣きするため夜間授乳をしているという方もいらっしゃるかもしれませんが、小さい頃にむし歯になってしまうと、押さえつけて治療をしなければならない可能性も高くなり、歯医者さんがトラウマになってしまうかもしれません。また、4歳以下でむし歯になってしまうと、永久歯に生え変わってもむし歯リスクは高いままになってしまうと言われています。そうなればこの先ずっとお口のお悩みを抱え続ける事になるのです。そうならないためにも、勇気をもって卒乳の準備をすることが大切です。

母乳とむし歯リスクの関係

現在までの研究で、母乳だけでむし歯になるリスクはほとんどないことがわかっています。むし歯は、細菌が糖分を分解して作り出す酸によって歯が溶ける現象を指します。母乳には乳糖という糖の一種が含まれていますが、濃度が非常に低いため、むし歯になるには至らないのです。しかし、お砂糖を使用していなかったとしても、離乳食には糖質が含まれます。そのため、離乳食が始まると、むし歯のリスクが大きく上昇してしまうのです。

乳歯について

  • 乳歯は生後半年を目安に生え始めます。下の前歯が2本生え、その後上の歯が4本生えます。中には生まれた時に歯が生えていたり、1歳頃まで生えなかったというお子様もいらっしゃいます。歯の生える時期は、成長の中でも特に個人差が大きいとも言われているので、半年くらい時期が前後しても心配する必要はありません。
    6歳になると最初の永久歯である6歳臼歯が生え始めます。そして、その頃から乳歯が抜け始めるのです。まずは下の前歯が抜け、その後上の前歯が抜けます。

  • 歯の生える時期は個人差が非常に大きいため、あまり心配する必要はありません。
    しかし、あまりにも生えてくるのが遅かったり、生えてくる順番が大きく異なる場合は歯がもともとない先天欠損や2本の歯がくっついてしまう癒合歯を疑います。その場合は歯並びが悪くなってしまう可能性が高いため、定期的に歯科医院でチェックを受ける必要があります。どちらもレントゲン検査で調べることが可能ですので、気になる場合はご相談ください。
    また、歯肉の異常によって歯の萌出が阻害されている場合は、少しだけ切開すると萌出がスムーズになるケースもあります。歯の萌出が半年以上遅れている場合は、ぜひ歯科医院を受診してください。

  • 乳歯が生え始めると、むし歯になる可能性がでてきます。それを防ぐには、お口のケアが欠かせません。乳歯は永久歯よりも柔らかく、外側のエナメル質が薄いため、むし歯になりやすい状態です。歯が生え始めたら歯磨きの練習からはじめましょう。最初はガーゼなどを指に巻き付けて、拭ってあげるだけでも大丈夫です。
    また、フッ素を利用することもむし歯予防に有効です。フッ素の適切な使用方法を指導しておりますので、ぜひご相談ください。

  • 乳歯がむし歯になってしまうと進行が非常に速いため、早期に治療することが大切です。お子様の治療は歯の治療と根の治療にわかれ、根の治療になると、期間も回数もかかり、再発しやすくなってしまいます。根の治療にならないよう、穴があいている、冷たいものがしみる、ものが詰まりやすいなどの症状がある場合は早めに歯科医院を受診しましょう。歯の治療はむし歯を取り除いて樹脂で詰める方法や形を取って詰め物や被せ物を作る方法があります。

指しゃぶりについて

指しゃぶりを
することによる悪影響
Adverse effects

小さな頃の指しゃぶりは自分の身体を知ることができる、1番身近なおもちゃであるといったメリットもありますが、4〜5歳頃を目処に徐々に減らしていかないとさまざまなデメリットが生じてしまいます。主なデメリットには次のようなものがあります。

  • 上顎前突(出っ歯)に
    なりやすい
  • 噛み合わせが悪くなる
  • 口呼吸になりやすい
  • うまく発音できなくなる

指しゃぶりの原因 Cause

  • 遊んでいる

    赤ちゃんにとって指や手は、1番身近な遊び道具です。ただ遊んでいるだけの場合も多くあります。

  • 眠い

    お子様が3歳以下の場合、指しゃぶりは眠気の合図であることもあります。

  • 精神の安定

    成長するにつれて、お子様もストレスを感じるようになります。ストレスによって乱れた気持ちを立て直すために指しゃぶりをすることもあります。

  • 習癖

    指しゃぶりはおっぱいを吸うための練習でもあります。そのため、指しゃぶりには授乳と同じような精神を落ち着かせる効果があり、癖になってしまっている場合もあります。

  • 退屈

    遊び相手がいなかったり、つまらないというサインの可能性もあります。

  • 歯がため

    歯が生えてくる時期になると、顎がムズムズしてくると言われています。指をしゃぶることで、それを緩和しようとしているのかもしれません。

指しゃぶりを
やめさせるには?

指しゃぶりをやめさせるには原因が何かを探り、それを取り除くことが大切です。例えば、手持ち無沙汰になって指しゃぶりをしている場合は、コミュニケーションを取る、新しいおもちゃを与えるなどの解決策が考えられます。

また、食べる楽しみを与えたり、スキンシップを取ることでお子様の精神が落ち着き、徐々に指しゃぶりをしなくなるかもしれません。癖になっいる場合は、指しゃぶりをしなかった日をカレンダーに記録するなど、楽しんで改善できると良いでしょう。

感情的に怒ったり、無理矢理やめさせることはお子様にストレスを与える原因となり逆効果になってしまいます。焦らずゆっくりと自然に卒業できるよう、見守ることも大切です。当院でもアドバイスを行っていますので、ぜひご相談ください。

食べ方、飲み方について

歯の生え方と食べ物の関係

  • 乳児期・離乳期

    乳児期の赤ちゃんは、母乳やミルクを飲むことで噛んだり飲み込むといったお口の機能を発達させる準備をしています。離乳食になると、食べ物の硬さや一口の量が、歯の生え方に影響を与えるようになります。お口の状態にあった離乳食を用意し、適切な食べ方を心がけるようにしましょう。

    また、さまざまな食材を用いることで、お子様の五感を発達させることができます。この頃は栄養面だけでなく、歯並びを整えるためにも非常に大切な時期です。離乳食に関するアドバイスも行っていますので、ぜひご相談ください。

  • 幼児期

    1歳半頃になると、乳歯の奥歯が生えて噛み合わせることができるようになります。奥歯で食べ物をすりつぶすことができるようになるため、繊維質なもの、弾力のあるものも食べることができるようになり、乳歯が生えそろう3歳頃にはしっかり噛んで飲み込むことができるようになるのです。

    この時期に早食いや丸呑みなどの癖がついてしまうと、大人になっても治らない可能性があります。食べ物はかじり取ったり噛む回数を増やすことのできるものを用意し、癖がつかないようにすることが大切です。しっかり噛むことで、顎の骨やお口周りの筋肉が発達し、きれいな歯並びを手に入れることができるようになります。

噛むことの大切さ Important

よく噛むことのメリット

よく噛むことは、お子様の成長に非常に大きなメリットがあります。最近は柔らかい食べ物が増えたため、噛む回数が全体的に少なくなっています。お子様のうちによく噛む習慣をつけることで、さまざまなメリットがあります。
ここで言う「よく噛む」とは、硬いものを噛むことではなく、噛む回数を増やすことを指します。たくさん噛むには、例えばカレーライスの具材は一口では飲み込めない大きさにする、れんこんやごぼうなどの根菜を取り入れる、おやつを野菜スティックにするなどの工夫が必要です。

  • むし歯予防に効果的

    噛む回数が増えることで、唾液を作る唾液腺が刺激され、自浄作用(唾液によって洗い流す作用)が高まり、お口の中が清潔に保たれやすいため、むし歯のリスクを軽減することができます。

  • しっかり発音できるようになる

    食べ物をよく噛むと、顎や舌の筋肉が発達しやすくなり、正しい発音を身につけることができます。

  • 過食や肥満を防止

    よく噛むことで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防止することができます。

  • 表情豊かになる

    噛むことで骨格や表情筋が鍛えられ、表情が豊かになります。

滑舌について

子供の滑舌が悪い原因は? Cause

お子様の滑舌が悪くなってしまう原因はいくつかあります。

  • 歯並びが悪い

    噛んでも上下の歯の間に隙間がある開咬や歯と歯の間に隙間がある空隙歯列、上の前歯が出ている上顎前突、下顎が前に出ている下顎前突などがあると、空気が漏れてしまい、サ行の発音がうまくできなくなってしまいます。

  • 舌の筋力が弱い

    舌は筋肉の塊です。口を閉じた時に舌が上顎に全くつかないという方は低位舌という状態で、舌の筋肉が足りていません。そのような場合は舌ったらずになってしまい、タ行の発音がうまくできなくなります。

  • 舌の位置が悪い

    舌に筋力がないと、舌の位置が正しく保たれず、滑舌に悪影響を及ぼす可能性があります。舌の先端は前歯の裏側、切歯乳頭と呼ばれる膨らみの少し後ろが正しい位置です。ここよりも飛び出てしまう癖を舌突出癖といい、歯並びが悪くなる原因になります。

  • 舌小帯が短い

    舌と口底部(お口の粘膜)をつなぐ舌小帯と呼ばれるヒダが短いと、舌の動きが制限されてうまく発音できなくなってしまいます。舌が上顎に届かなかったり、前に大きく出した時にハート型になる場合は舌小帯が短いと考えられます。

滑舌をよくするには?

滑舌をよくするためには、舌の筋力を鍛えたり、歯並びを整えることが大切です。また、舌小帯が短い場合には伸ばすためのトレーニングや外科的な処置が効果的です。

舌小帯を伸ばすトレーニング Training

トレーニングを行うことで、舌小帯を伸ばすことができます。簡単なトレーニング方法をご紹介します。
よくわからない場合はご来院の際にお尋ねください。

  • 左右交互に
    舌を10回ずつ出す。
  • 上唇10秒、下唇10秒かけて舌でゆっくりと唇の周りを1周する。
  • スイカのタネだけを
    舌で取り出す。
  • 切歯乳頭(前歯の裏側の膨らみ)に舌の先をつけ、舌全体を上顎吸い付ける。
    その後口を大きく開けて、舌小帯をできるだけ伸ばして舌打ちをする。(ホッピング)
  • 1日30回(約3分)を目標に、「あ」「い」「う」「べ」を4秒かけてゆっくり大きく話す。
    (あいうべ体操)

子供の口臭が気になる

口臭の原因

大人とは異なり、お子様の口臭の原因で1番多いのは口呼吸です。鼻ではなく口で呼吸する習慣がついてしまうと、口の中が常に乾いた状態になってしまいます。口腔内が乾くと雑菌が繁殖するため、口臭を引き起こしてしまうのです。お子様の口臭が気になるという方は、テレビを見ている時にお口がポカンと開いていないか、寝ている時、鼻から呼吸をしているかどうかをぜひ確認してみてください。

口呼吸をしている場合、原因がアレルギー性鼻炎や鼻詰まりであることも考えられ、耳鼻科での治療が必要になることもあります。また、消化器系の病気や風邪を患っている時も、口臭が発生しやすくなります。

この場合は、原因となる病気が治れば口臭もなくなります。稀にですが、1型糖尿病を発症している場合も口臭がみられることがあります。歯科医院で他に気をつけるべき口臭としては、むし歯や歯肉炎によるものが挙げられます。むし歯の穴に食べ物が残ってしまうと、腐って匂いを発したり、歯並びが悪いと残った汚れが匂いの原因になることも考えられます。

対応法

原因を突き止め、取り除くことが大切です。口呼吸が原因の場合は、お口のトレーニングを行って筋力をつけることで症状を改善することができます。夜寝ている時にお口が開いている場合は、専用のテープでお口を閉じてあげることも有効かもしれません。また、糖尿病や鼻炎など、原因疾患が別にある場合は、病気の治療が必要です。むし歯や歯肉炎が原因の場合は治療やお口のクリーニングによって取り除くことができます。むし歯や口呼吸によって口臭が発生している場合、なるべく早く対処する必要があります。お口の匂いが気になる場合は、ぜひお早めにご相談ください。

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